睡眠コラム
睡眠時無呼吸症候群(SAS)のチェック方法!一人暮らしでも出来るセルフチェックも!
寝ている間の大きないびきや呼吸が止まってしまう睡眠時無呼吸症候群(SAS)は、家族に指摘されるまで気付かないこともあります。
そのため、一人暮らしの場合は、自分が睡眠時無呼吸症候群かどうか分からず、不安になることもあるでしょう。
今回は、一人暮らしの方でも出来る睡眠時無呼吸症候群のチェック方法についてご紹介します。
就寝中の自分の様子が気になる・いびきを指摘してくれる家族がいない方は参考にしてください。
ただし、睡眠時無呼吸症候群の症状がある場合は、必ず医師の診察による正確な診断を受けるようにしましょう。
睡眠時無呼吸症候群チェックリスト
睡眠時無呼吸症候群(SAS)を発症しているか気になったら、まずは就寝中や日中の状況についてセルフチェックを行いましょう。家族と同居している場合は、家族にも寝ている間の様子について聞いてみることをおすすめします。
次のチェック項目のうち、1つでも当てはまる場合は睡眠時無呼吸症候群を発症している可能性があります。早いうちに専門の医療機関を受診し、症状が軽いうちに対処できるようにしておきましょう。
1.就寝中はいつもいびきをかいている
2.睡眠中に呼吸が止まる(家族に指摘されたことがある )
3.長時間寝たはずなのに疲れが取れていない
4.夜中に苦しくて起きてしまう
5.夜中にトイレに行きたくなり、何度も起きてしまう
6.朝起きたときに頭が痛い
7.日中に強い眠気がある
8.若い頃と比べて体重が大きく増加している
9.肥満である
10.糖尿病である
11.心臓の病気がある
12.血圧が高い
13.痛風(高尿酸血症)、脂肪肝である
14.口が渇く、胸やけがある
一人暮らしでもできるセルフチェック方法
家族と同居している場合は、寝ている間の大きないびきを指摘してもらえるため、睡眠時無呼吸症候群に気付くことができます。では、一人暮らしの方が睡眠時無呼吸症候群に気付く方法はあるのでしょうか?
ここからは、一人暮らしや一人で寝ている場合に睡眠時無呼吸症候群についてチェックできるポイントについてご紹介します。
普段の睡眠時に次のような症状がある場合は、睡眠時無呼吸症候群を発症している恐れがあるため注意が必要です。
何度も目が覚めてしまう
夜中に何度も目が覚めてしまう方は、睡眠中に呼吸が乱れ、気付かないうちに息苦しくなっている場合があります。また、酷く寝汗をかいている場合も、実は睡眠時に呼吸が止まっている可能性があります。
朝起きると頭痛がする
朝起きた時に頭がズキズキ痛む人は、睡眠中に呼吸が止まっている可能性があります。他にも、目が覚めると頭や身体が重い感じがする場合も、睡眠時無呼吸症候群を疑った方が良いでしょう。
朝起きると口が渇いている
朝起きると口が渇いている場合は、気付いていなくても睡眠中に長時間いびきをかいている恐れがあります。睡眠時無呼吸症候群の人は気道が狭くなっているため、就寝中は口呼吸となっていることが少なくありません。起きた時に口が渇いていたら、寝ているときは口呼吸をしていると考えましょう。
睡眠時間は長いのに、身体が疲れている
睡眠時間は十分確保していても熟睡した感じがしない・身体の疲れが取れていない場合は、睡眠時無呼吸症候群を発症している恐れがあります。また、起きている時に強い眠気を感じる場合も、睡眠時無呼吸症候群によって実はよく眠れていない可能性が高いため注意が必要です。
いびきをチェックするアプリを使う方法も
寝ている間にいびきをかいていても、自分では気付きにくいものです。そこで、スマートフォンのアプリを使ったいびきチェックをおすすめします。いびきや睡眠時無呼吸症候群のセルフチェックに使える無料アプリには、以下のようなものが挙げられます。就寝前にアプリを起動すると、寝ている間のいびきを測定・録音できます。特に、一人暮らしでいびきのチェックができない方は、ぜひ試してみてください。
いびきラボ(睡眠中のいびきのスコア・時間・いびきの大きさを測定)
睡眠時無呼吸症候群チェック(いびきの大きさを録音・睡眠時無呼吸症候群のセルフチェックができる)
SnoreClock(自分がいびきをかいているかチェックできる)
ただし、アプリだけでは睡眠時無呼吸症候群の正式な診断はできません。
アプリによっていびきに気付いたら、なるべく早めに専門の医療機関を受診し、適切な治療を受けることが大切です。
アップルウォッチで睡眠時無呼吸症候群をチェックできる
アップルウォッチ(Apple Watch Series 6以降)で、血中酸素飽和濃度(SpO2)を測定して睡眠時無呼吸症候群をチェックすることができます。血中酸素飽和濃度(SpO2)は、血液によって肺から全身に運ばれる酸素の割合のことを指しています。健康な人は血中酸素飽和濃度が95〜100%に保たれていますが、睡眠時無呼吸症候群によって呼吸が止まると、95%以下に低下してしまいます。
血中酸素飽和濃度が低下すると息苦しさがすぐに現れますが、寝ている間は自覚できない可能性も考えられます。睡眠時無呼吸症候群を疑う人は、Apple Watch Series 6で「血中酸素ウェルネス」を起動し、就寝中の血中酸素飽和濃度を測定してみましょう。なお、Apple Watch Series 5以前のシリーズには血中酸素飽和濃度の測定機能は付いていません。
子どもの睡眠時無呼吸症候群をチェックするためには
睡眠時無呼吸症候群は、大人だけに起こる病気ではありません。近年では子どものうちから睡眠時無呼吸症候群を発症するケースも増えていますが、低年齢であればあるほど睡眠状況を自分で把握することは難しいと考えられています。
そのため、子どもの睡眠時無呼吸症候群は周りの大人がなるべく早めに気付いて対処することが非常に重要となります。
次に挙げる項目は、睡眠時無呼吸症候群を持つ子どもに起こりやすい症状とされています。
一緒に暮らすお子さんに当てはまる場合は、すぐに専門の医療機関を受診するようにしましょう。
口呼吸、いびきがある
寝ている間に口呼吸になっていていびきをかいている場合は、睡眠時無呼吸症候群を発症している恐れがあります。鼻炎や花粉症によって鼻が詰まり、一時的に口呼吸となっている場合もありますが、その状態が長期間続く場合は、肥満や扁桃腺の肥大によって気道が狭くなっている可能性も考えられるため注意が必要です。
集中力の低下
睡眠時無呼吸症候群によって十分な睡眠がとれず、集中ができない・勉強に身が入らないといった症状として現れることも少なくありません。また、子どもの睡眠時無呼吸症候群は発育・発達の問題を引き起こすともいわれています。学力低下以外にも、注意欠如・多動性障害、認知機能の低下にも繋がる恐れがあるため注意が必要です。
子どもの成績が急に落ちた・勉強や普段の生活に集中できていないと感じたら、睡眠中にいびきをかいていないかチェックしてみましょう。
落ち着きがない、イライラしている
睡眠時無呼吸症候群によって睡眠の質が落ちることは、子どもの精神面にも大きな影響を与えます。子どもに落ち着きがない、日中イライラしているといった場合は、普段の睡眠をしっかりとれているか・就寝中にいびきをかいていないかチェックしておきましょう。
また、日中眠そうにしている・活動中に突然寝てしまう場合も睡眠時無呼吸症候群の疑いがあります。
まとめ
睡眠時無呼吸症候群によって大きないびきをかいていても、自分では気付けない場合は多くあります。「十分な睡眠時間を確保しているのに熟睡できていない」と思っている人は、睡眠時無呼吸症候群のセルフチェックを受けてみましょう。
また、今はセルフチェックに該当する項目がない場合でも、将来的に睡眠時無呼吸症候群の症状が現れる場合もあります。
普段から自分や家族の就寝中の様子についてチェックしておき、大きないびきなどが発生したら早めに対処することが大切です。